Part 6 関空へ
 

最後の羽田離陸を見送った。次は関空だ。出発の時間まで1時間近くある。ロビーのイスに腰掛けて関空の発着状況やMETARなどを調べて時間をつぶすことにした。相変わらずの風のようだが欠航やゴーアラウンドは発生していないようだった。関空行きの最終確認として関空に電話して展望ホールの状況を聞いてみた。「ホールは空いていますが、強風のため屋上は閉鎖中です」との答えだった。ドキッとした。「飛行機は見れますか?」と尋ねたてみる「ガラス張りのフロアが開いてますのでそこからご覧になれます」「連絡橋の方を向いたガラスはありますか?」「ございます」「滑走路はどちらですか」「24です」。
ガラス越しとはいえ何とか撮影は出来そうだ。3日前のリベンジを果たす最初で最後のチャンス。関空行きを決断し、SKY203便の搭乗口の前に腰掛けた。この便は関空からの折り返しになる。強風のため関空出発が遅れたようで、折り返し便の出発も10分遅れ、10時35分に変更され、相変わらず強風で着陸できない場合は羽田に引き返す条件がついたままだった。搭乗口がオープンになり機内に乗り込み、24着陸の際空港が見渡せる右側の窓側の席に腰を下ろした。やがてドアクローズ、プッシュッバック、タキシングを経て10時50分頃羽田を離陸した。羽田も風が強いようで、離陸直後はけっこう揺れた。28000ftでクルージングに入ったが揺れがあったので31000ftにまで上昇してふたたびクルージングに入り、しばらくして関空に向け降下を開始した。この機体にはモニターに現在位置が表示されている。通常関空へは紀伊半島を横切るコースを取るはずだが、陸の上はすっぽり雲に覆われているせいか雲を避けて紀伊半島に沿うようなルートで飛行している。そのためいつもより時間がかかっているようだった。四国上空を過ぎ関空への着陸態勢に入った。24へ着陸はいったん空港島の横に出てサークリングして着陸する。見えてきた空港島の上空は雲が多いものの晴れている様子。しかし海面を見ると無数の白波がたっていて風がかなり強いことがわかる。サークリングを終え、ILSに乗ったらしい。機体はけっこう揺れている。「機長、頑張って」と無事着陸することを祈る。ゴーアラウンドならまだいい、引き返しだけは勘弁して下さい。やがて展望ホールが見えはじめ、機体はRWエンドの上まできた。着陸まであと少し。一瞬機体が横に振られたような感覚を覚えた。「やばいっ」。その直後ギヤが接地する衝撃が伝わり、機体が水平になり、リバースの音が響いた。無事着陸。「フッー」っと大きく深呼吸した。降機後すぐに携帯の電源を入れ、発着案内で2502便を調べた。千歳をほぼ定刻に出発していて安堵した。しかし関空到着は少し遅れるようだった。

SKY203

 

 

 

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